医療法人財団 倉田会は、おかげさまで創立100周年を迎えることができました。
1923年(大正12年)に、初代 倉田重隆が平塚の地に倉田療院を開業して以来、重久、和久、そして私まで、倉田会は100年にわたり「地域に根を張った医療」にまい進してまいりました。
その100年の歴史をひもとけば、開業時の関東大震災、壊滅的な被害となった平塚大空襲、混乱から立ち上がった戦後復興、度重なる経済不況、東日本大震災などさまざまな危機がありました。現在も新型コロナウイルス感染症との闘いが続いています。そうした数々の困難にあって、倉田会は常に地域の皆さまとともに在り、皆さまの健やかな暮らしを支えるために務めてきました。
私自身も、父 和久亡きあと、理事長に就くことになりましたが、経験豊かなスタッフ一人ひとりに支えられ、患者さま、そのご家族をはじめ地域の皆さまのご厚情をいただいて日々を重ねてくることができました。それができたのも、父、祖父、曾祖父や関わる人々がともに1日1日を積み重ねて、今日の倉田会に繋がっているからだと感謝しています。
一方で、倉田会は、社会や時代の変化の中で常に何ができるかを考え、結核医療や救急医療、透析医療などに率先して取り組んできました。
そして、父 和久は、1996年(平成8年)に平塚市東真土に新天地を求め、療養型医療から介護・リハビリにわたるトータルケアを志したのです。
現在では、倉田会は、外来、入院透析治療を主とした「くらた病院」、一般・企業健診、婦人科検診を行う「倉田会メディカルサポートクリニック」、最新の外来透析を行う「えいじんクリニック」、在宅復帰を視野に施設での生活を送る「しんど老人保健施設」や在宅療養支援のための「しんど訪問看護ステーション」、平塚市の委託による「平塚市高齢者よろず相談センター 倉田会(地域包括支援センター)」の6事業を通じて、“予防”“医療”“介護”にわたるトータルケアサービスをお届けしています。
これらサービスの基本となる倉田会の理念が「ともにあゆむ」です。
「ともにあゆむ」という理念は、言葉通り関わる人すべてと「ともに」「あゆんでいきたい」という意図がありますが、実際には自分が「あゆんでいる」のではなく、関わる人すべてに「ともに」「あゆんでもらっている」ものなのだと日々実感しています。
「患者さまとともに」「地域とともに」「関係者とともに」「職員とともに」―。
『人生100年』といわれる超長寿社会において、倉田会は、これからも皆さまの近くで、より頼られる存在を目指してまいります。
次の100年に向けて、1日1日感謝の気持ちを持ちながら努力を重ねていく所存です。
皆さまには一層のご支援ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
医療法人財団倉田会理事長
倉田 康久